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  • 現状と課題、研究について学ぶ/テーマはあきたコメ活プロジェクト」/第3回会員例会

    令和元(2019)年8月30日 掲載
    令和元(2019)年11月14日 更新

     本年度の第3回会員例会が8月1日、ホテルメトロポリタン秋田で開かれ、会員22人(代理を含む)が出席。「あきたコメ活プロジェクトについて」をテーマに、県うまいもの販売課の大友義一課長と県総合食品研究センター食品加工研究所の熊谷昌則所長が▽本県の食品産業の現状と課題▽同プロジェクトの全体像▽同プロジェクトの研究―について、それぞれの分野で資料を基に講演した。

     初めに、担当委員会の地域と農業を考える委員会の涌井徹委員長が「委員会では県の農業の主力である米について生産、加工、販売の面で、改めて見直そうとしている。加工については、精米からもう一歩進んだ形がないかと考えている。昭和は玄米の時代、平成は白米の時代、令和はご飯の時代ともいわれる。販売については輸出。人口減少が進む国内よりも、増えている海外に向かうべきだ。それぞれ既成概念にとらわれず新しい視点でやっていければいいと思っている。その流れの一環として、県の担当の方を招き会員例会を開いた」とあいさつ。引き続き講演に移った。

     講演の主な内容は次の通り。

    ◆ 本県の食品製造業の現状と課題

    県うまいもの販売課の大友義一課長

     食料品・飲料等の製造品出荷額等が県内製造業全体に占める割合は10%で、主力の電子部品・デバイス・電子回路製造業に次いで大きな割合を占めている。内訳は▽畜産加工▽清酒▽パン・菓子類―の順。半面、出荷額等は東北最下位で、全国でも44位と低い。ちなみに、東北各県では漁獲量や飼養頭数等が上位を占める畜水産物を原料とした加工部門が出荷額の上位となっている。

     一方、県庁内では、各部の施策や事業の調整・連携強化を図り、一体的な食品産業の振興を推進している。農林水産部(農業経済課・販売戦略室)は▽原料生産と確保▽生産者への技術支援▽6次産業化への取り組み推進▽食品事業者とのマッチング、産業労働部(地域産業振興課・商業貿易課・産業集積課・あきた企業活性化センター)は▽人材育成や人材の確保▽事業規模の拡大と設備導入の支援▽経営基盤の強化、観光文化スポーツ部(秋田うまいもの販売課・総合食品研究センター)は▽きめ細かなマーケティング▽販路開拓のためのマッチングの推進▽売れる商品づくりの推進▽オリジナル技術の開発―などを具体的な施策としている。

    ◆あきたコメ活プロジェクト推進事業

     平成30年度から令和2年までの事業で、米加工分野の販路開拓を支援する。具体的には秋田米加工利用促進協議会を開催し、米加工分野の商品開発や原料米の確保等を協議するための協議会やワーキンググループを開催している。また、技術の移転促進対策としては、米加工品の商品開発や、マッチングスタッフの配置、移転策のデータベース化などを行っている。さらに、開発商品のブランディング対策としては、商品のクオリティーを高めるために、デザインやマーケティングの専門家の派遣により、商品の完成度の向上を図っているほか、販路開拓の支援にも取り組んでいる。

    ◆総合食品研究センターのオリジナル技術の開発

    県総合食品研究センター食品加工研究所の熊谷昌則所長

     センターではさまざまなオリジナル技術を開発し、県内食品事業者等に移転することにより、競争力の高い商品づくりを推進しているほか、センターと県内事業者との共同研究や技術相談などを通じて、消費者ニーズに対応する商品開発や改良も進めている。具体的には白神こだま酵母パンや秋田美桜酵母、じゅんさいエキス、あめこうじ、鱈しょっつる、AKITA雪国酵母などが挙げられる。ちなみに、平成28年に特許を取得したAKITA雪国酵母は県産酒を海外に出すために研究したもので、華やかでフルーティーな香りが長く続く。

    ◆コメ活プロジェクトの背景

     本県にはコメを活用した多様な分野があり、特に麹を活用した発酵食や日本酒は本県が全国に誇る独自の食文化として発展している。発酵食品製造額のシェアは、本県は20%で、東北の5%、全国の4%を大きく上回っている。しかし、都道府県別の米菓販売額ではトップの新潟県1882億円に対して、本県は10位で17億円。これまで育成してこなかったツケが回っている形で、課題となっている。

    「あきたコメ活プロジェクトについて」をテーマにした第3回会員例会

    ◆令和元年度の取り組み

     平成30年6月に設立した「秋田米加工利用促進協議会」を「あきたコメ活プロジェクト推進協議会」に改編。令和元年7月時点で、55社、10機関・団体が加入しており、情報の共有や技術移転、商品開発等を積極的に推進している。具体的には▽あきた米菓・餅加工技術研究会1(ぎんさん、あきたぱらりなどの新品種の活用)▽あきた米菓・餅加工技術研究会2(あめこうじ、酒粕粉末など商品への活用)▽あきた米菓・餅加工技術研究会3(金のいぶきを使用したせんべいの新商品開発など)▽加工米飯▽味噌加工▽米粉・麹▽加工用米等確保―の7ワーキンググループが、既存商品の売り込みや商品開発・改良、販路開拓などについて、引き続き検討を進めるほか、総合食品研究センターが開発する加工技術などの活用も積極的に行っている。

     講演後、出席者からは「予算が足りないということではないか」「米菓を増やす具体策はあるか」「発酵食品をどう育てていくのか」などの質問が出され、大友課長と熊谷所長は「できるだけ多くの予算を付けたいが、厳しい財政の中、国の交付金などを活用してもまかないきれない」「新潟県はかつて草加せんべいを追い越そうとしたが、柿の種というヒット商品を生んだことで米菓生産が飛躍的に伸びたという。本県も新商品を開発したい」「一業者だけで売り込むことは難しい。オール秋田で立ち向かいたい」などと答えていた。

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