活動・お知らせ

  • 特別講演会
  • 猿田副知事と陶山理事が講演/特別講演会

     県の猿田和三副知事と陶山さなえ理事を講師に招いた特別講演会が7月30日、秋田ホテルで開かれ、会員60人が出席した。

     講演に先立ち、佐川博之代表幹事が「東京五輪のメダルラッシュで沸いている一方で、新型コロナウイルスは連日感染者を更新し続けている。このもやもやを解消してくれるのはアスリートたちの活躍、熱い思いと言葉ではないか。彼らは五輪を開催できたことへの感謝を忘れない。私たちも頑張らなければならない。本日の特別講演会の講師の猿田副知事は筋金入りのアスリート。講演も熱のこもったものになると期待している。また、就任時には洋上風力に力を注ぎたいとも語っており、経済同友会との共通点もある。一方、陶山理事は本県初の女性理事で、(公社)経済同友会の櫻田謙悟代表幹事=SOMPOホールディングスグループCEO 取締役 代表執行役社長=と同じ損保ジャパングループの出身であり、経済同友会との縁を感じる。担当分野にはいろいろな課題があるが、講演を楽しみにしている」とあいさつ。その後、特別講演会に移った。

    猿田副知事
    猿田副知事

    新秋田元気創造プランなどを紹介

      猿田副知事は「県内経済の動向について」と題
     して講演。県庁に入ってからの経験と、今後の県
     政運営指針「新秋田元気創造プラン」の重点項目
     などを紹介した。主な内容は次の通り。

      佐竹知事は就任時から「政策の1丁目1番地は
     産業振興」と言っている。風力発電をはじめとす
     る再生可能エネルギーの本県への導入促進、航空
     機や自動車の製造業、IT企業などの振興を図っ
     ている。中小企業の経営基盤の強化を図っている
     ほか、事業承継についても各団体と連携し進めて
     いる。ところが、現状は人口減少に歯止めがかか
     らず、若者が就職できる企業がなかなか増えな
     い。県民からみれば赤点以下の評価かもしれな
     い。

      本年度策定する新たな県政運営方針「新秋田元気創造プラン」(22~25年度)には、
     昨年秋に秋田経済同友会からの提言に盛り込まれている内容も多く、それを踏まえて検
     討を進めている。主な項目は以下の通り。
     ▽賃金水準の向上
      県政の課題のすべては人口減少に起因することは皆さんご承知の通り。特に、若者に
     魅力ある職場づくりが求められる。進学や就職で県外に出た若者をどうやって県内に呼
     び戻すか。さらに、女性の県内定着をどう進めていくかに力を注いでいる。
      一方、2022年3月に卒業する高校生150人、大学生100人の採用枠を広げることで、県
     内定着率が上がり、目標に近づくことができる。また、最低賃金アップの流れの中、企
     業はコロナ禍で厳しい状況かもしれないが、賃金水準の向上を進めてほしい。経済同友
     会の皆さまにも協力していただきたい。

     ▽カーボンニュートラルへの挑戦
      本県の再生可能エネルギーは風力が全国で1位、地熱が2位の発電量を誇っている。
     これをいかに県内の産業振興につなげていくかが課題だ。洋上風力については、今年秋
     には事業者が決定する。地域貢献策などを考慮し、知事がどう評価するか。継続的な産
     業振興につなげなければならない。
      経済同友会の提言にもある水素製造、アンモニア製造などのサプライチェーンが必要
     であり、期待している。東芝とGEが提携し製造していくという話もある。大手企業と
     県内企業のマッチングも検討しなければならない。

    特別講演会
    特別講演会

     ▽デジタル化
      デジタル化を支援するための「秋田デジタルイノベーション推進コンソーシアム」を
     設立、県内130を超える企業が参加している。デジタル化は働き方改革や、生産性の向
     上のために避けて通ることができない。企業により差があるが、一つでも二つでも成功
     例を増やし進めていきたい。
      県としては、リモート診療体制について医師会や大学と研究しているほか、農業につ
     いては県立大と、ITを使うことでの省力化に取り組んでいる。大手企業も参画してい
     る。

     ▽移住定住の推進
      Aターンの登録者は約2000人、企業は540社。昨年は192人がAターンしているが、
     現在も320人程度はすぐにでもAターンしたいと言っている。県内企業の人手不足に活
     用してほしい。ただし、条件が合わないのは、やはり賃金水準。県内は、特に女性の賃
     金水準が低い。
      リモートワークについては昨年、4000社にアンケートを実施し、10社と交渉中。ワー
     ケーションも4社が検討している。秋田市をはじめ県内に数カ所か、民間、公営のワー
     クスペースがある。
      週に何日か本県に来て、工場の管理者や新製品の開発に携わるプロフェッショナル人
     材については、県外から移住している人たちもいる。

      最後に、私はこれまで培ってきたネットワークとフットワークを使って課題解決に努
     めるが、行政だけが踏ん張ってもなかなか結果は出ない。時間がかかるし、痛みを伴う
     こともあるだろうが、長い目で見れば県民に役立つことを、経済同友会はじめ民間の皆
     さまの協力を仰ぐとともに、英知を結集して取り組んでいかなければならない。

    陶山理事
    陶山理事

    女性活躍は経営にプラス

     一方、7月1日に就任したばかりの陶山理事は「女性活躍をビジネスに活かすために」と題して講演。「女性活躍は定着に非常に時間がかかるが、長いスパンで考えると必ず経営にプラスになる」と強調した。主な内容は次のとおり。

     本県になぜ女性活躍推進が必要なのか。労働力を確保する以上の効果があり、県全体の社会経済の活性化を推進。県の課題を解決する糸口になる。
     例えば、人口の推移をみると、現在は生産年齢人口(15~64歳)、老年人口(65歳以上)、年少人口(0~14歳)の順に多いが、令和27年ごろには老年人口が生産年齢人口を上回る状況になる。女性の活躍が求められる。

     女性活躍によるビジネスインパクトとしては▽女性の視点を活用したプロダクトイノベーション▽女性が働きやすい環境整備をすることが、プロセスイノベーションにつながる▽世帯収入の増加による消費の拡大▽働く女性の増加に伴う、新たなニーズ、マーケットの表出―などが挙げられる。具体的には、スムージーは女性の視点から生まれたし、消費力旺盛な女性は消費の拡大を生む。さらに、女性の社会進出が進んでことにより、食洗器、乾燥機付き洗濯機、自動掃除ロボットが新たな3種の神器になっているという時代の流れもある。これらは企業の業績向上、持続的な日本経済の成長と地方創生にもつながる。

     女性の活躍を推進するためには経営者によるトップダウンと継続していく力、女性自身の自覚が2つの柱となる。秋田の女性は優秀なのに、とても謙虚。自分だけでは前に出ることはできないようにもみえる。また、秋田の女性のビジネス面での潜在能力は国内で比較しても素晴らしいと思う。現時点では、何から手をつけていけばいいのか、優先順位はどうするのか、財政的余裕はあるのかなど、いろいろな問題があるかもしれないが、今後、経済同友会をはじめ経営者の皆さまと直接対話し、好事例を広く伝えながら女性活躍の推進につなげたい。       
                                    (文責:事務局)

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