活動・お知らせ

  • 会員例会
  • 国際活動委員会
  • 外国出身者とつくる秋田の未来 日本語教育の重要性を強調/国際教養大の豊田教授、嶋准教授が講演

    第4回会員例会
    第4回会員例会

     秋田経済同友会は10月19日、秋田市の秋田キャッスルホテルで2023年度第4回会員例会を開き、国際教養大学の豊田哲也教授(国際法)と嶋ちはる准教授(日本語教育)が「外国出身者とつくる秋田の未来」をテーマに講演した。外国出身者が社会に溶け込むためは日本語教育が最も重要だと強調した。

    講演する豊田哲也教授
    講演する豊田哲也教授

     豊田教授は、日本の外国人材法制が1990年代以降、迷走してきた経緯を振り返り、違法滞在などで社会に負荷をかけている点を指摘した。一方、労働力の提供や人口構成の若返りなど外国人材の導入が社会へ寄与する点も多いことを紹介。本県においては「失踪する技能実習生の割合が全国平均の半分と低いほか、在留外国人のうち、留学生の占める比率が高く、優秀な人材が多い」と分析。「外国人は、短期的には所得の高い地域に魅力を感じるだろうが、家族を帯同して暮らすような長期的な視点で見れば、教育水準の高さや生活水準の高さ、治安の良さは魅力に感じるだろう。秋田はそうした強みがある」と述べた。その上で「地域の未来をつくるのは人であり、言葉の通じない人とコミュニティーをつくることはできない」とし、在留外国人に対する日本語教育の重要性を強調した。

    講演する嶋ちはる准教授
    講演する嶋ちはる准教授

     嶋准教授は、25年にわたって国内外の大学や企業などの現場で、日本語教育やその人材養成に従事してきた。これまでの日本語教育がボランティアに依存しすぎたり、専門性を持つ日本語教師の確保が不十分だったりした点を指摘した。一方、来年4月には日本語教育機関認定法が施行され、日本語教員が国家資格になるなど「大きな波が起きている」と言及。「外国人散在地域といえる本県では、外国人の絶対数が少ない。その分、目が行き届き、人間関係を構築しやすいことは良い点だ」と述べ、日本語教育の環境整備を一気に進めやすい状況にあるとした。
     また、県外の介護現場で、外国人実習生に実際に指導している日本人スタッフの事例を映像で紹介しながら問題提起。外国人とコミュニケーションを取る上では「私たちが、やさしい日本語、分かりやすい日本語で話すことも重要だ」と締めくくった。
     この日の例会には会員約35人が出席。講演に先立って、国際活動委員会の後藤敬太委員長が挨拶した。

    PAGE TOP