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  • 2024年の本県経済を展望/人口問題への考察も/日銀・片桐秋田支店長が講演

    講演する片桐大地支店長
    講演する片桐大地支店長

     秋田経済同友会は1月30日、新年交歓会と特別講演会を開き、日本銀行秋田支店の片桐大地支店長が「2024年の秋田の経済展望」と題して講演した。人口減少が進む中で求められる企業経営についても考察した。
     片桐支店長は1973年生まれ。長野県の出身で、一橋大学法学部を卒業した97年、日本銀行に入行。名古屋支店金融グループ長や決済機構局業務継続企画課長、発券局総務課長、預金保険機構預金保険部次長などを歴任し、2023年3月から秋田支店長を務めている。
     片桐支店長は1月の県内景気について、個人消費や公共投資、設備投資が堅調で、「緩やかに回復している」とした前月の判断を据え置いたことを紹介した。また、日銀の金利政策を念頭に、物価の現状認識に言及。物価上昇については「輸入物価上昇の価格転嫁(第1の力)」と「賃金と物価の好循環(第2の力) 」という二つの力が重なり合って作用していることをグラフに描いて分析。「2%を超える物価上昇が続いてはいるが、一時的かつ衰退する性質がある輸入物価上昇による影響が大きい。今後、第2の力が強まっていくかが評価のポイントになる」とした昨年9月の総裁挨拶を引用して解説した。
     雇用・賃金に関しては、最近の春闘を振り返りながら分析。ベースアップ率が2022年までは、0%~1%にとどまっていたものの、2023年春闘では0%~4%に分散し、横並びが消えた点に着目。業界のリーダー企業ですら、高い賃金を提示しないと人材確保が難しくなってきている現状を紹介した。

    新年特別講演会
    新年特別講演会

     また、本県の人口減少問題に関する考察も披露した。「秋田の人口は減少する見通しだが、世界では増加する。マーケットを世界に求めるならば人口減は問題にならない。問題としてとらえるならば労働力の確保ではないか。行政には街づくりなどで期待する一方、企業も努力しなければならない。賃金引き上げや、労働環境・福利厚生の見直し、それらを可能にする成長力の向上により、労働者に選ばれる企業に自らを変革することが大切だ」と述べた。

    あいさつする佐川代表幹事
    あいさつする佐川代表幹事

     交歓会には75人が出席。佐川博之代表幹事は「創立30周年を迎える本年、人口問題をテーマにした、経済人らしい提言をしたい」と挨拶。併せて、能登半島地震の見舞金として当会が1月12日、100万円を秋田魁新報社に託したことを紹介した。来賓の神部秀行副知事と穂積志秋田市長が挨拶し、神部副知事は、県が進める若年層の県内定着策を紹介しながら「大学生の県内就職を促すため、企業と力を合わせていきたい」と述べた。
     平野久貴代表幹事の発声で乾杯した後、昨年6月以降に入会した8人のうち、出席した中西仁氏(ユアテック)、飯塚雅子氏(秋田ケーブルテレビ)、佐藤正明氏(佐藤養助商店)、日高壽彦氏(日本生命)の4人が入会の経緯を含めて自己紹介。盛会の中、斉藤永吉代表幹事が中締めをして会を閉じた。

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