
秋田経済同友会は11月19日、秋田市のホテルメトロポリタン秋田で会員例会を開いた。観光コンサルタントの佐藤奈央維さんが「訪日外国人観光客が求めるAKITAとは」と題して講演。質の高いサービスの提供と確実な情報発信の重要性を指摘した。
秋田市出身の佐藤さんは都内の企業に勤めた後、オーストラリアに渡り、2年間、旅行業務に従事。2011年に帰国し、秋田市内で観光連盟や航空会社で業務経験を重ね、現在はグローカルプロモーション(本社仙北市)で「宿泊施設のインバウンド受け入れの整備」「ツアーガイド」「地域コンテンツの造成」などに携わっている。
旅行客が訪れた土地に好印象を抱く条件として「発信される情報が随時更新されている」「多言語看板を掲げている」「問い合わせへの対応が充実している」点を挙げ、「安心感と利便性を提供しなければならない」と述べた。
欧米や豪州からの旅行客については「滞在日数が長く、円安が進んでいる今はミドルの富裕層を中心に旅行費用の単価を上げている」と分析。「地元の人には当たり前の文化や行事が旅行客には魅力に映り、観光資源を守るためには金銭的な負担にも前向きだ」と指摘した。本県が目指すべき観光客の誘致については「しっかりとしたガイドを付けるなどして質の高いサービスや体験を提供する仕組みを作り、秋田を深く知ってもらうことが大事。それが長期的な旅行客の増加につながる」と述べた。
講演会は観光振興委員会が担当。講演に先立って小畑宏介委員長が挨拶し、会員40人が聴講した。
